ADI国際会議2017、無事終了!
国際会議が終了しました
副代表理事 杉山 孝博
4月26日(水)から29日(土)まで、国立京都国際会館にて第32回ADI国際会議が開催されました。
日本も含めた77か国から約4000名(一般公開入場者1000名を含む。内、外国人約700名、認知症の人が約200名)の参加者があり、2004年に同じ会場で開催された第20回ADI国際会議に匹敵する大規模な会議となりました。26日は小雨が降りましたが、実質的な会議が行われた3日間は晴天で、会場周辺の木々の緑や八重桜の花が目を楽しませてくれました。
記憶や興奮が冷めないうちに、国際会議の特徴や意義を振り返ってみたいと思います。
(1)幅広い分野の国際的な講演者を招き、高水準の科学、ケア、非薬物的療法、認知症の本人の視点、認知症政策など様々な分野の最新の研究成果が発表されたことです。
200の講演と400のポスター発表がありました。専門的な内容を短時間でしかもほとんど英語(すべての会場で同時通訳がついますが)で話される研究発表は消化不良を起こしたと思いますが、聞いてよかったというテーマがたくさんありましたと多くの会員は話していました。
(2)認知症本人の参加や積極的な発言があったことです。
日本や世界中から参加し認知症本人が、「より良く生きる、認知症と共に」をテーマにたくさんのプログラムで発言していました。4月29日の「認知症の人との関わり」の会場は人があふれていました。2004年で発言した本人が9名であったことを考えれば、非常に大きな変化です。家族の会やADIが普段から本人を中心に考えて活動してきた成果だと思います。ADI国際会議だからこそ実現できたと思います。
(3)国際会議を契機に、認知症に関連して全国規模で活動している、「認知症の人と家族の会」「全国若年認知症家族会・支援者連絡会」「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」「日本認知症ワーキンググループ」「レビー小体型認知症サポートネットワーク」の5団体が初めて、連携し、協同行動を持つことができました。
ワークショップ「認知症に関わる当事者団体の役割と今後の課題」が持たれました。
(4)「認知症にやさしい地域社会」を実現するための実践や提言が数えきれないほど発表されました。
どの発表者も、認知症を正しく理解するための教育が最も重要であることを強調していました。世界保健機構(WHO)が認知症の人に優しい社会づくりを各国に促す「行動計画案」を策定したことが報告されました。また、私が議長を務めた「認知症と災害」の分科会でも、災害が発生した時の各国が配慮すべき「認知症のための災害準備イニシアチブ」がADIの委員会で検討されているという報告がありました。
(5)約800名の会員の参加があり、各支部のポスター作り、AAJ(家族の会の英語表記)ラウンジでの飲み物の提供・ヨガの実践指導・小物販売などのおもてなし、海外の方々との交流などが積極的に行われたことです。ちなみに、AAJシアターで映画「認知症と向き合う」(杉山孝博監修・出演、東映制作、英語字幕付き)を上映したところ大変好評でした。
【写真で見る国際会議】