会員さんからのお便り

40年を消しゴムで消すように


宮城県・Yさん65歳 女


2年前に認知症の宣告を受けた夫は素直で、優しい同い年。仲良く暮らした40年を消しゴムで消すように頑固で、怒りを爆発させる人になりました。悲しみ、怒り、諦め、絶望を経て、「お手々つないで」を歌いながらトイレへ通っています。


宣告から半年で言葉を失い、怒りをあらわにする夫が、1回でも大声を出すことが少なくなるように心を砕く毎日です。


「家族の会」へ思うことはつどいの中でも親子か夫婦かで悲しみが違うように思え、若年か老人性かではなく、関係性で捉えた方が話が具体的になるのではないかと思えます。身も心も悲しみで埋め尽くされたとき、いつでも駆け込める場所がほしいと思う日々です。


設立30年へ向けての願い!


診断を受けて途方に暮れる本人と家族のために住んでいるところの情報を伝えてくれる専門家がいてくれたら心強いでしょうね。


迷ってます。


石川県・Nさん59歳 女


徘徊する父(じっとしておれない、昼夜逆転、尿意で目が覚める)、94歳を自宅で看たいとつとめてきましたが、頻回な転倒で医師からも自宅(夜間)の見守りは難しく入所を考えるようにいわれています。(今は大腿骨骨折で入院中)アリセプトを服用するようになりました。(糖尿の薬だと言っています)最近やっと穏やかになってきたかなあとも思います。気位が高く、私の言うことはなかなかきかず困りますが、好きです。迷ってます。


歯が痛いのに…


栃木県・Tさん 56歳 女


今の老健に二度目の入居で、当日の夕食を介助していたところ、母が目に涙を浮かべ、「もうダメー」と言って食べたがりません。上の歯がぐらぐらで痛いのです。インスリンを打った後なので何とか半分食べてもらいましたが、施設の責任者は歯科衛生士に診てもらってから、話し合いの後でないと食事内容を変えられない、とのこと。


「衛生士はいつ見えるのか?」とうかがっても、返事がもらえず、思わず、「食事のことが決定するまで連れて帰ります」と言いたいのを、やっと飲み込んで、「次の朝、スープ類を買って飲ませてください」と言うまでなしのつぶて! どう対処したら?


小姑の理解がない


千葉県・Oさん69歳 女


認知症の97歳の姑を残して、夫は癌で7年前に亡くなりました。小姑が5人おりますが理解がなくて、嫁としての私は一人で悩んでいます。


嬉しいことと課題


岩手県・Oさん74歳 男


・81歳の妻はホームで寝たきりですが、声を掛けると時々「おーっ」と声を上げ、大きく目を開けます。


・岩手県内5ヵ所で「つどい」をやっています。参加する家族の抱えている苦労は様々ですが、回を重ねるうちに表情が少しずつ明るくなっていくのが嬉しい。


・最近のつどいには若年性の家族が増えてきて、その対応が課題です。


新時代と言われても


まだまだ福島県・Oさん66歳 女


「ぽ~れぽ~れ」の記事はとても他では分からない最新情報が役立ち、介護者、ご本人の声や相談への多方面からの回答など興味深く読ませてもらっております。


認知症の新時代が来たと言われ、確かにご本人が本人ならではの思いを話し、家族や介護に当たっている専門家が今までの介護をあらため、よりご本人に添おうとした点では画期的なことでした。しかし、一方で、まだまだおかしなことをしたり、言ったりする厄介で扱いにくい人として、揶揄したり、余計者と思っている人々も大勢います。地域で支え合い、と言っても孤独で、介護保険制度を使っても一人の介護者の肩に重くのしかかる負担はいろいろな事件をみるまでもない現実です。介護家族当事者である我々の声を、現実をまだまだ訴えなければと思います。「呆けても誰でも安心できる世を」


入会のお誘いも続けています。


長崎県・Mさん62歳 女


佐世保地区会を発足させて1年が経過しました。当初会員は4名でしたが今は9名と徐々に増えています。地区会活動として開催している「家族のつどい」も当初4名前後の参加者でしたが、今は毎月10名を超えるようになりました。介護されている方の表情が穏やかになってこられたとき、安心します。いつかこの方々が会員になって「家族の会」の活動に参加してくださることを願いながら、入会のお誘いも続けております。県支部から佐世保の方が入会されたと連絡を受けたとき、嬉しくなり、会の資料などを送付するようにしております。


少し余裕ができた自分がいます


大分県・Kさん59歳 男


入会した当初はいろんなものには参加せず、会報を読むだけでしたが、昨年から、講演会やつどいに参加してみて初めて「家族の会」の有意義さ、ありがたさが分かってきた次第です。


家族、親子であっても、100%理解してもらえないもどかしさ、すべてを話せない葛藤、少しずつだけど確実に悪くなっていく妻の病気への焦り。


けれど、「家族の会」で皆様の貴重なお話を聞いたり、自分の家庭のことを話して、良いアドバイスをしてもらうと自然と笑顔になり、少し精神的に余裕ができてきた自分がいます。家内と私のためにこれからも参加していきたいと思います。


2009年12月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」353号より

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