佐賀で「全国研究集会」 会場いっぱいの870名が参加
人ごとでない認知症・安心できる介護保険へ
10月25日佐賀市文化会館で「家族の会」主催の「認知症の人と家族への援助をすすめる全国研究集会」が開かれ、870名の参加者で満席の状態でした。
厚労省認知症虐待防止対策推進室室長・千葉登志雄氏、古川康佐賀県知事、秀島敏行佐賀市長の祝辞のあと、NHKアナウンサー・町永俊雄氏による講演が始まりました。
講演
国民的に介護問題を考えるために「特集番組」を放映した、視聴者から介護の大変さが伝わったこと、そして、家族だけで頑張っている―孤立している現状も知った、と。誰もが安心、安全を求めるには「共に生きる、共に支え合う社会」にすること、さらに、人とのつながりをみんなで作ることなどを話された。今、制度や仕組みを変える時でもある。当事者の声をeとエールをいただくことができた。
事例発表
(写真左から)
A介護家族の藤芳一さんから、「慣れない介護に無我夢中」。「家族の会」が唯一の羅針盤となっている。
B認知症疾患医療センターソーシャルワーカーの鈴木美佐さんは、本人と家族に対して安心できる適切な支援をしたい!と心強い発表。
C鎌田松代さんは仕事を持ちながら両親を遠距離介護中。周囲の認知症の理解、ケアマネジャーの質、切れ目のない支援のあり方、交通費の割引など、現在の制度に一石を投じた。
D宅老所を経営している満岡緑さんからは、本人の思いを活かしてあげ、落ち着かれた事例を紹介。
E若年期認知症の方の「働きたい」の願いに応えているデイサービスセンターの平ヶ倉文雄さんの報告。スライドの足立昭一さんの生き生きしている姿が印象的だった。
シンポジウム
町永さん、厚労省の千葉さん、佐賀県長寿社会課長、施設の事業者や精神医療センター医師を交え、コーディネーターに高見代表、コメンテーターに杉山副代表のメンバーでシンポジウムが行われた。
事例発表を踏まえ、地域の結びつきがなくなってきたことや医療はあっても介護が不十分である、その間の連携をもっと考えていくべきだ。さらに、「関心」、「共感」をみんなが持つことが大切との意見が出された。「自己犠牲で成り立つ介護保険ではダメ、本当の意味での共に支え合う体制づくりに力を出し合うべき、そのために当事者は我慢せず、もっと声を出して欲しい」と町永さんの発言に会場は大拍手で応え終了した。
(編集委員 関東澄子)
講演をする町永氏
事例発表者
オープニングは武
雄市の「GABBA(ガバ)」の人たち
シンポジスト(右から、杠、山口、西田、杉山、千葉の各氏)
佐賀県知事
古川康氏
佐賀市長
秀島敏行氏
厚労省
認知症・虐待防止対策推進室室長千葉登志雄氏
2009年9月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」350号より