ケアでつながる地球家族

オーストラリアの巻

■介護者自身に支援を・オーストラリアから

オーストラリアでは今年10 月、「介護者」に注目した法案 Carer Recognition Bill が連邦議会を通過しました。この法案は、介護者が果たしている役割を広く社会に認めさせることを目的としています。この動きを受け、連邦政府は今後、国としての介護者法を制定し、介護者が介護を引き受けたことで社会から孤立していくことがないように、支援の具体的な目標や形を検討する作業に入りました。

実は、オーストラリアがここに至るまでには、Carers Australiaをはじめ、当事者である介護者たちが大きな役割を果たしています。

介護者も支援を必要としている、介護者の経験と知識は地域社会の財産である、介護に関わる人は、地域に生きる一人の人として自らの生活を楽しむことができる…これらの事柄を、介護者たちが自ら発信し、地域の人を巻き込み、介護者憲章を作りました。それらが、今、準州含む6つの州の介護者法という形で結実しているのです。

この介護者自身を支援する「介護者法」は、オーストラリアのみならず、ヨーロッパやカナダなどで広く注目を浴びています。介護があっても自らの人生を楽しみ、豊かな生活ができる社会、これはきっと、すべての人にとって幸せな社会だと思います。

愛知県支部では、日本でも海外のこのような動きに追随できたらと、6 条にわたる介護者憲章を作成しました。

(国際交流委員 尾之内直美)

あなたも「家族の会」の仲間になりませんか?無料で資料をお送りします。