国際交流員会発「ケアでつながる地球家族」
■ ドイツは1995 年に世界で最初の介護保険制度を施行した国です。
日本の介護保険と異なる点は、①財源がすべて保険料で賄われている②被保険者は0歳から高齢者までの公的医療保険加入者で、要介護と認められればサービス受給にも年齢制限なし③介護度は身体障害について3段階、認知症について2段階④家族介護者が、現金給付を選択できる等、いくつかあります。3月に開かれたトロント国際アルツハイマー病会議にドイツから参加したヘルガ・ローラさんに制度の評価をうかがったところ、「金額的に十分とは言えないが、現金支給制度は在宅介護が続けられるという意味で介護者と本人双方にとって有益。認知症に関しては中度(トイレの場所が覚えられない程度のレベル)と重度(日常生活すべてに全面介助が必要なレベル)の2段階しかなくサービスを受けられない人がたくさんいる」と話してくれました。私たちの制度をよりよくしていくために、今後もドイツをはじめ各国の介護保障の成果と問題点に注目していきたいと考えています。
(国際交流委員 鷲巣典代)
2011年4月25日発行会報「ぽ~れぽ~れ」369号より