もしかして世間は私のことを鬼嫁と見ているかしら…
全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。
■もしかして世間は私のことを鬼嫁と見ているかしら…
姑78歳 認知症と診断され要介護度2です。
最近、私のことを悪口としか思えない言葉で近所の人に、実話のように話しています。皆さんの私を見る目が違っているように思えます。
夫に相談しても「放っておけ」と言うばかりです。こんな状況ではいい介護はできません。どうしたらいいのでしょうか? Aさん (45歳・主婦 姑と同居)
介護歴10年の主婦Bさん:自分の気持ちを変えたほうがいいですよ。まわりをあまり気にせず「放っておく」のが一番。もし、本人に言っても興奮するばかりで喧嘩になり、自分が落ち込むばかりです。わが家の義母も、お医者さんの待合室でよく私の悪口を言っていたそうです。その様子を人づてに聞き、いやな思いもしましたが放っておくうちに周囲も義母がおかしいと気付いてくださいました。確かに良いことを言われないのは、悔しくて切ないものですが、今は、自分の気持ちを変えて我慢するしかないと思います。
施設職員・世話人Cさん:我慢なんてしていたらだめ! あなたが病気になってしまいます。
お義母さんはまだ78歳、お体も元気なようだしこの先何年も続く介護を乗り切るためには我慢は禁物。認知症の診断を受けていることや家でも対応に困っていることを周囲の人にはっきりと伝え、あなたのサポーターを作っていかなくてはだめですよ。
介護者・福祉サービス従事者Dさん:お義母さんの言動を知らせてくれた人は、あなたのことを心配してくれているのだと思います。日頃の介護の大変さをまず、その方に話してみてはいかがでしょう。
母を看取り終えたEさん:夫も理解されているはずですよ。
でもこういう言葉がストレスになるんですよね。無関心なのだと思ってしまいがちですが、ご主人があなたを思う気持ちは誰よりも強いはずです。次元の低い話題に巻き込まれるなという姿勢でしょう。
ケアマネFさん:「放っておけ」では話になりません。あなたに対してもお義母さんに対しても無責任極まりない発言です。お母さんの症状がもっと深刻になってもきっと「放っておけ」で通すことでしょう。介護は一人では決してできません。今の間にご主人にも認知症のことを教え、協力を得なくてはだめ。変化がなければ「この先、この家でやっていく自信がありませんので失礼いたします」と強行策も辞さない態度を見せることも時には必要です。
父を介護中のGさん:病気として理解することは本当に大切だと思います。私は、家族の会の勉強会で「認知症の症状は、一番親しい人、頼りにしている人に、一番強く出る」ということを学び、とてもつらかった介護に少し余裕ができました。「知は力なり」と言います。認知症について勉強することでお義母さんの症状に先手を打てるかもしれません。学ぶことでお義母さんの気持ちが理解できるようになり介護が楽になることがあります。
実母を介護中のHさん:趣味など誰にも邪魔されないあなた自身の世界をつくることが大切です。お義母さんとの関係からくるストレスを上手に発散する方法を身につけていくことは、今後の生活にとって、とても大事です。デイサービスなどを利用して、お義母さんと離れる機会をもってはいかがでしょうか。私もそれで自分の時間を作ることができ、気持ちが落ち着きました。