全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。
■母は大の料理好き。でも火の不始末が心配なのでやめさせたいのですが
母は大の料理好きです。現在74歳です。アルツハイマーと診断されて3年になりま す。最近、ガスの付けっぱなしや焦げ物が多くなりました。どうしたらよい でしょうか?(Aさん 実母と2人暮らし 48歳・会社員)
介護20年の世話人Bさん:今の うちにやめさせるべきで す。お母さんに はかわいそうですが、もう料理は無理です。さらに病気が進行することを考えると、危険なことを説明すれば理解できる今が説得のチャンスです。ヘルパー歴3 年のCさん:近所にとっても心配なことです。大きなトラブルにならないうちにやめさせるべきです。ガスの元栓を閉めて、火を使えないようにすることも必要 です。
介護中のDさん:私 の場合は元栓を閉めた上に「このガスコンロは故障し ていて使えません」と大きく書いた紙を貼っておきましたが、これは効果がありました。
ヘルパー歴3年のEさん:お 料理を全くやめさせてしまうのはお母さんの 喜びをはぎ取るようなものです。留守の間には、材料をそろえたり、切ったり、火を使わない部分をしてもらい「火加減を教えてほしいから、あとは私が帰るま で待っててね」と言ってみたらどうでしょう?
専門職Fさん:料 理を禁止することは、不安や混乱を引き起こすことにな ると思います。火事の心配のない操作の簡単な電磁調理器も出ているので、切り替えてみたらいかがですか?
介護歴ある世話人Gさん:電 磁調理器を使えるかどうかは疑問です。うち の母の場合は、電磁調理器はダメでしたが、電子レンジと電気がまは、かなり長い期間使うことができました。ご飯は私の分まで母が炊き、おかずは私が作った ものを温めて食べていました。
専門職Hさん:お なかがすくと「何か作ろう」となります。出かける時 は、お母さんの好きな食べ物を置いておき、「帰ったら夕御飯を一緒に作ろうね」と紙に書いておくことです。
介護経験者主婦Iさん:先のことを考えると家での料理はや めてもらうの がいいと思います。一人で家にいる時間を少なくするために、デイケアなどの利用を勧めます。料理が好きなことを伝えれば、うまく対応してもらえると思いま すよ。
専門職Jさん:「料 理を一緒に行う」ということで介護サービスが使えま す。「お母さんに料理を習いに来られるのよ」と説明すれば、ヘルパーさんとの関係もうまくいくでしょう。サービスの利用や生活の工夫で、できるだけお母さ んらしさを発揮できるようにしてあげてください。