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「認知症」の人のために家族が出来る10ヵ条
この10力条は、「家族の会」が、結成20周年を記念して出版した「新ぼけの人の生活と対応」という本に掲載されていて、内容は次のとおりです。
はじめて認知症の人と向き合うとき、介護者にのしかかる戸惑いや不安、負担の大きさ。これに対応する心構えとして、参考になるでしょう。
1.見逃すな「あれ、何かおかしい?」は、大事なサイン
認知症の始まりは、ちょっとした物忘れであることが多いもの。
単なる老化現象とまぎらわしく、周囲の人にはわかりにくいものです。
あれっ、もしかして?と気づくことができるのは、身近な家族だからこそです。
2.早めに受診を。治る認知症もある。
認知症が疑われたら、まず専門医に受診すること。
認知症に似た病気や、早く治療すれば治る認知症もあるのです。
また、適切な治療や介護を受けるには、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などをきちんと診断してもらうのは不可欠です。
3.知は力。認知症の正しい知識を身につけよう。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では、症状の出方や進行、対応が違います。
特徴をよく知って、快適に生活できるよう、その後の家族の生活や介護計画づくりに役立てましょう。
4.介護保険など、サービスを積極的に利用しよう。
介護保険など、サービスを利用するのは当然のこと。
家族だけで認知症の人を介護することはできません。
サービスは「家族の息抜き」だけでなく、本人がプロの介護を受けたり社会に接する大事な機会です。
5.サービスの質を見分ける目を持とう。
介護保険サービスは、利用者や家族が選択できるのが利点。
質の高いサービスを選択する目が必要です。
また、トラブルがあったときは、泣き寝入りせず、冷静に訴える姿勢を持ちましょう。
6.経験者は知恵の宝庫。いつでも気軽に相談を。
介護経験者が培ってきた知識や経験は、社会資源の一つ。
一人で抱え込まずに経験者に相談し、共感し合い、情報を交換することが、大きなささえとなります。
7.今できることを知り、それを大切に。
知的機能が低下し、進行していくのが多くの認知症です。
しかし、すべてが失われたわけではありません。
失われた能力の回復を求めるより、残された能力を大切にしましょう。
8.恥じず、隠さず、ネットワークを広げよう
認知症の人の実態をオープンにすれば、どこかで理解者、協力者が手をあげてくれるはず。
公的な相談機関や私的なつながり、地域社会、インターネットなどのさまざまな情報を上手に使い、介護家族の思いを訴えていきましょう。
9.自分も大切に、介護以外の時間を持とう。
介護者にも自分の生活や生き甲斐があるはず。
「介護で自分の人生を犠牲にされた」と思わないように自分自身の時間を大切にしてください。
介護者の気持ちの安定は、認知症の人にも伝わるのです。
10.往年のその人らしい日々を。
認知症になっても、その人の人生が否定されるわけではありません。
やがて来る人生の幕引きも考えながら、その人らしい生活を続けられるよう、家族で話し合いましょう。