佐藤雅彦さんは大学卒業後、システムエンジニアとして働いていましたが、45歳頃から会議記録が書けないなど、異変を感じるようになりました。徐々に症状は進行し、51歳の時に認知症の診断を受けました。
現在は、「認知症の本人の思いを皆さんに知ってほしい」と講演や雑誌、新聞に発表するなどしています。2020年10月に行われた講演原稿を紹介します。
【困っていること】
- 意欲がなくなり、外出しることが面倒になり、何もかもがめんどうくさい。
- 知人の名前が出てこない。
- 時間感覚がなく、ケアハウスに住んでいるが、食事の時間に遅れる。バスの時間に遅れる。
- 今日の日付がわからない。
- 的確な判断ができなくなる。判断を間違えることも多くなる。
- 睡眠障害を起こし、寝付けなく、夜中3時に目が覚め、眠れない。
【出来ることリスト】
- 銀行ATMで送金や現金の引き出しができる。
- Ipadで写真、文章、動画をFacebook に投稿できる。
- 買い物が自由にできる。
- 「駅探」を利用して指定されて時刻に指定された駅に一人で行くことができる。
- ipadで講演原稿が書ける。
- 認知症の体験を話すことができる。
- お風呂が一人で入ることができる。
- 問題が起こっても一人で解決できる。
- 物事を一人で決めれる。
- お金の管理ができる。
【私の強み】
- できることとできないことが認識できる。
- 不便なこと、不得意なことに対して、対策を考えることができる。
- 問題がをこったら、問題点を書き出し、解決策を考えることができる。
- 自分で考えいることを、ipadを使って、文書にできる。
- ipadが自由に使える。ipadでzoomができる。
- ipadで、動画、写真、文章をFacebook に投稿できる。
- 自分の考えていることを、ホームページ、Facebookを通じて発信できる。
- 自分で自分のことが客観的に観察出来る。
【私の使命】
- 認知症で元気を失っている人に、元気をとどけること。
- 認知症の人が住みやすい社会にするために、認知症への正しい理解を広めること。
- 認知症の人は何もできない人であるという、偏見をなくすこと。
- 認知症は新しいことが覚えにくいので、覚えなくても責められない、社会を作ること。
- 認知症の人が世間に合わせるのではなく、世間が認知症の人に合わせる、社会を作ること。
- 「認知症であっても、不便であるが不幸でない」と言うことを知ってもらうこと。
- 臨床美術で、絵を描き、認知症でも充実した生活が送れることを身をもって示すこと。
【幸せな理由】
- 生かされいることに感謝できること。
- 食事が美味しいなど、小さな幸せに感謝できること。
- やりたいことができる環境にあること。たええば、臨床美術の教室が近くにあること。
- 不平不満がないこと。問題が起こっても自分で解決する能力が残されていること。
- 毎日、平均5000歩以上歩けて健康であること。
- 歩けなくなったら、その時考えるなど将来に不安がないこと。
【社会に訴えたいこと】
- 認知症当事者は、社会のお荷物ではなく、我々か構成する社会の一員であるので活躍の場所、役割をあてえてほしいこと。
- 認知症当事者は世間に役立ちたいと、強く思っていること。
- 判断能力も残されている。
- 認知症当事者の能力を信じて 何度でもしたい事に挑戦させてほしい。
- 保護するという名目で、自由を奪わないで。
- 先回りして、私たちの考える機会やるべきことを奪わないでほしい。
- 学習能力があることを認めて欲しい。
- わからないことは、推測でするのではなく、些細なことでも聞いてほしい。
- 無能扱いはやめて欲しい。プライドを傷つける行為はやめて欲しい。
- 私たちの知らないところで、私たちのことを決めないで。
- 責任能力があることをて認めて欲しい
- 私たちの意見、要望を聞いてほしい。信頼関係を構築して欲しい。
- 能力維持のために、できることまで取り上げないで。できないことだけ支援してほしい。
- 時間がかかっても、できることは自分でさせてほしい。
- ダメ出しをするのではなく、できる方法を助言してほしい。
- 気分によってしたくない時もあるので、しないからと言って、できないと決めつけないでほしい。
【認知症と診断された、前と後では生活が変わりましたか】
- 生かされてていることに感謝する気持ちになった。
- 生かされていることを深く考えるようになり、普通に暮らすことは、当たり前ではなく奇跡で、何事にも感謝するようになった。
- 仕事に埋没するのではなく、人生の意義を深く考えるようになった。
- 人の役に立つ生き方がしたい。
- 私の使命は、認知症で元気をなくしている人に、元気お届けることだと確信した。
- 認知症の人が、豊かに暮らすにはどうすれば良いか考えるようになった。
- 認知症の人は、記憶しづらいことがわかったので、記憶しなくとも、責められない社会の必要性がわかり、記憶できなくとも責められない社会の実現に向けて努力します。
- 残された人生を、有意義な生きたいと考えるようになった。
- 人のために、生きようと思うようになった。
- 認知症の正しい知識の普及と啓発に頑張ります。
【生活の工夫】
- 時間感覚がないので、アラームの指示で動く
- 乗り換え案内アプリ駅探で、到着時間を調べて、ゆく。電車に乗ったら、タイマーを設定して、所要時間で降りる。途中駅を気にしなくとも良い。
- スケジュール管理
1 前日の夜明日の予定をGoogleカレンダーで確認する。
2 出かける30分前、予定の15分前にアラームを設定。
3 LINEのリマインクンに予定内容を入力する。
疲れてしますので、予定は1日1件とする。
- すぐに忘れるので、ipadにメモする。必要に応じて、写真を撮り、メモの代わりにする。
- 世間が認知症に人に合わせるの求めるのではなく、世間が認知症に合わせ覚えられなくとも、周りの人が覚えていてくれるのでよしとする。
- 物をなくししても、探すと混乱するので出てくるまで待つ。思わぬところうからでてくる。
【10年前とどう変わったのか】
- 認知症を公表して、発言する人が非常に少なかったが、認知症当事者が実名を公表して、堂々と発言するようになった。
- 喋れる人は認知症でないと批判されていたが、認知症本人発信支援が推進されるようになった。
- 認知症当事者の主張に、理解を示すようになった。
- 認知症の困りごとが知られて、忘れても良い、と言うことが理解されてきた。
- 認知症当事者をトラブルメーカーと捉えるのではなく、社会の認知症バリアによって困っている人と理解されるようになった。
- 認知症当事者には、意思決定力や判断能力も学習能力もあることが知られてきた。
- 問題行動など負の側面だけが大きく取り上がれれていたが、当事者が暮らしやすい地域づくりに貢献できるなどプラスの面に光が当たるようになった。
- 病識がないと考えられていたが、十分な説明と配慮が有れば病識が持てる人がいることがしられるようになった。
- 認知症は、何も分からなくなる、怖い病気だと思われていたが、いろいろな可能性や力 があり、自分らしく希望を持って生きていくことが知られるようになった。
- 一部ではなくすべての認知症当事者が自分らしく、希望を持って生きていれる共生社会を作るために、国家戦略(大綱)として推進されるようになった。
【今後の課題】
- 認知症当事者の能力を信じて、失敗してもなんでもさせることを許す。
- 保護すると言う名目で、認知症当事者の自由を奪わないで成功体験をさせる。
- 先回りして行い、認知症当事者の自主性、能力向上の体験を奪はない。
- 認知症当事者の責任能力を認める。
- 認知症当事者の意見、希望、願望を最大限尊重する。
- 認知症当事者のプライドを傷つけない。
- 過保護にしない。役割を与える。張り合いを与える。
- いまだに、認知症当事者は何もわからない人と言う風潮がある。
- 認知症当事者は何もできない人、と思われている。
- 認知症当事者は責任能力がなく、保護する対象だと思われている。
【最近思うこと】
1.幸せは些細なことにある
最近、何気ない些細なことで、たまたま気分が良くったとき、幸せのおすそ分けする、メル友がいることに幸せを感じる。たわいのないこと、些細な喜びを人に伝えて、共感しあい、喜びを分かち合うことに喜びを感じる。
なんでも効率的になり、効率第一主義になると、潤いがなくなり、人生がつまらなくなる。無駄は大切であり、無駄は人生に潤いを与え、余裕と歓びを与える。
寄り道をしたり、普段歩かない道を歩いたり、普段使わない道を選んで生活に潤いを与えましょう
2.毎日の幸せ
自分が幸せだとと感じることは、嬉しいときメールする相手がいること、一緒に共感できる友がいること。私にはそんな友達がたくさんいて感謝です。
無理をせず、能力にあった役割があることが大切です。認知症でもたくさんの能力が残されている。私には、認知症になってからの体験を話す、能力と役割がある。役割があることが、生活の張りになり、充実感があり、毎日幸せだと感じられる。
3. 感謝の日々で毎日送ろう。
世の中には、ちょとした不運を嘆いて、感謝をしないひとがいる、もったいないことである。
視点を変えて、世の中を見れば感謝したいことがたくさんある。例えば、私は20年前にアルツハイマー病を患ったが、病気になったことはことは不幸であるか、病気になったおかげで、たくさんのひとから、助けられ、感謝がわいてきた。
感謝する気持ちで世の中を見れば、毎日が楽しくなる。つまらない、毎日だと思わず、あなたがつまらないと思う人生は、今日生きられなかった人にとてはとても大切な時間である事を思い出して、何事にも感謝していきる。
4.人は幸せには鈍感で、不幸せには敏感である。
不幸には鈍感になり、幸福に敏感になりましょう。それには、嬉しいこと、楽しい事を書き留めて、日々感謝して、今の幸せは、奇跡であり、小さな幸せを大切にして、人生をたのしみましょう。
5.忘れてもいいじゃないか
同じことを言っても、それは前にお聞きしましたと言っていただければそれで十分です。
また同じことを言ってうんざりされないことが私たちが喜ぶことです。お互いに楽しく過ごしましょう。
6.お互いに違いがあっても、賛成できなくとも こんな考えもあるのだと、理解を示そう。
違いがあってこそ、お互いに価値がある。
7.ある当事者に言葉 支援ではなく、仲間が必要である。
出番があり、自分が必要とされている場面があること。このことは真実です。
支援されるだけでは自分は何もできない、ダメな人間だと劣等感を抱く。対等な立場で、一緒にものごとを考える仲間を必要としている。
8.幸せになろうと思うときは、人に親切をする。自分の役割を探す。人を親切にすれば、周り回って自分も幸せになる。幸せは自分の気持ちのなかにある、気持ちの持ちようで自分は幸せだと思えば幸せになれる。人に優しくすれば、自分も幸せになれる。
9.認知症の人にも、役割、出番を与えてください。社会に貢献する事を望んでいます。
10.一方的にケアされることは、惨めに感じるので望んでいません。一緒に楽しんでくれる、パートナーを望んでいます。一緒に楽しみましょう。
【認知症の人の心がまえ】
- 認知症になっておぼえにくくなるが、周りが覚えてくれるので安心して覚えなくても良いと割り切る。
- 認知症と診断されても、すぐに何もできなくなるわけでない。
- 認知症になっても、覚えにくくなるが、普通の生活が送れる。
- 失った機能を嘆くのではなく、残された機能に感謝して生きる。
- 元気の認知症当事者から元気をもらう。
- いつも、前向きに考える。できないこと多いが、できることまたくさんある。
- 自分の使命、役割、趣味を持って、明るく生きる。
- 出来ることリストを書き出し、自分に自信をもって生きる。
- 人間には分からないが、神様のご計画があるにでどんな時にも希望を捨てない。
- 神様は無駄なことはされないので自信を持って生きる。
- 試練には必ず脱出の道が用意されているので安心して生きる。
- 未来は明るいと信じる。物事はなるようにしかならないにで楽観的に考える。
- 取り越し苦労はしない。問題が起こったらその時解決策を考える。
- おぼえにくくなることが多くなるが、細かいことは気にせずにおおらかに生きる。
- 生き方のモデルを探して、真似して生きる。
【こう接してもらいたい】
- ダメ出しをするのではなく、できる方法を助言して欲しい。
- 何が食べたいですか、と聞くのではなっく、和食と洋食でどちらが好きですかと選択肢を示して聞いて欲しい。
- 気分によって食べないものや、飲みたいものが異なるので、まいかいいこうを聴いて欲しい
- 私たちの能力を信じて、なんでもさせて欲しい。
- 時間がかかっても、できることはさせて欲しい。
- 反応するのに時間がかかっても、待って欲しい。
- 会話は視界に入ってから、話してほしい。後ろから話さないで欲しい。
- 個性、嗜好を尊重してほしい。
- 指示は毎回一つ。一度に複数の指示は出さないで欲しい。
- 信頼関係を構築してほしい。
- いつも笑顔で対応して欲しい。
- 同じ質問でも、面倒くさがらないで、同じ回答でいいから笑顔で対応してもらいたい。
- 何ができなくとも、一人の人格のある尊い存在だと思って付き合う。
- 人の言葉、記録を鵜呑みにせずに、自分で接して見て、接し方を決める。
- 過去の生活履歴は参考にするが、今のその人が何をしたいのかを一緒に考える。
- 自分の価値観を押し付けるのではなく、その人の世界観をよくきいてその人の価値観に寄り添って物事を決める。
- 認知症に人は、私たちと別の世界に生きているので、よく状況を聞いて、その人の世界を理解して、その人の世界に寄り添う。
【こう接してもらいたくない】
- 面倒だと言う理由で 一時しのぎの嘘をつくこと。
- 時間がないと言う理由で、できることまで奪ってさせない。
- 幼児言葉を話す。
- プライドを傷つける、態度、話し方をする。
- 規則を守らないと言う理由で、差別する。
- 後ろから話しかける、話しかけれれていることが認識できないので必ず、正面から、視野にはいった状態で話す。
- 一度に複数の指示を出す。指示は毎回一つ、一つの指示が終わってから次の指示を出す。
- 出来るだけ待たせない。
- 意向を無視しない。
- 怒った態度、不機嫌な態度で接し無い。いつも笑顔で接する。
- その時の気分で指示を出す、指示に一貫性がない。
- 都合の悪いことは、利用者のせいにする。
- 言い訳ばかりする。失敗したら、やっぱりと言うような色メガネで見る。
- 信頼できない。責任感がない。
- 思いやりがない。失敗をしても、人格を否定しない。適切な助言をする。
- 正直でない。約束を守らない。上から目線で指示をだす。
- 誠意か感じられない。どうせできないと言う態度を取らない。
- 言うことが首尾一貫してない。コロコロ主張が変わる。
- 言っていることと、反対の態度を取る。
- 時間にルーズ。事務的に対応しない、誠意が感じられない。
まとめ 嘘をつかない、プライドを傷つける言葉は言わない、不機嫌な態度は取らない。
【大切なこと】
- 記憶力が悪くても工夫、考え方次第で、楽しく生きられる。例えば、すぐ忘れるならメモすれば良い。記憶より記録。
- 認知症になっても、創意工夫で楽しく生きられるとを悟る。
- 未来は明るいと信じること。
- 取り越し苦労はしない。問題がおこた時に解決策を考える。
- 自分の意見・希望をはっきり述べる。
- 失敗にもめげない。打たれずよくなる。失敗は成功の元。何もしないのが一番いけない。
- 失った機能を嘆くのではなく、残された機能に感謝して生きる。
- 無い物ねだりはしない。持っている物で満足する。文相応の生活をする。
- 向上心を忘れない。どんな時にも希望を捨てない。自分に自信を持って生きる。
- いつまでも、若々しい気持ちを忘れない。オシャレに気を使う。
- できないことはできないと素直に認め、人の力を借りて賢く生きる。
- 新しいことに挑戦する勇気を忘れない。
- 考えたことは、文書にしてまとめる。
- 不平不満を言わない。不平不満がらるなら自ら動いて、なくす努力をする。
- 自分に正直に生きる。
- 生かされていることに感謝して生きる。日々、感謝、感謝。
- 人生は自分の思い通りにいかないことを悟る。
- もらうより与える側に回る。与える喜びを知る。
- 自分の役割・使命を探して世間に貢献する。
- 何事にも、時があるので、焦らない。七転び八起きの精神で行く。
- 計画は立てるが、その場の状況に合わせて臨機応変に対応する。
- 素直に生きる。人を愛する。
- 直感を大切にする。
- 自分の信念を持ち、人の意見に振り回されない。
- 失敗を恐れず粘り強く生きる。
- 失敗したら、原因を追及、記録して同じ間違いを起こさない。
- 時間を大切にして、有意義に過ごす。優先順位をつけて、楽しく過ごす。
- 長いスパンで考える。馬が合わない人とは関わらない。
- 賛成できなくとも、理解する努力をする。
- 人と比べて、卑下しない。人は人、自分は自分。
【元気になる方法】
- 達成可能な目標をを立てて、充実感を味わう。例えば、毎日、最低3000歩く。
- 美味しいもの食べ友だちと楽しく会食する。Facebook の友達と話す。
- 趣味を見つけて、楽しく過ごす。私は絵を描いて楽しくしでいる。好きなことをする。
- 好きなことが見つからないときは、嫌いでないことを始める、やっているうちに好きになるかもしれない。何もかも忘れて、一つのことに打ち込む。
- 社会貢献する場所、を見つけて励む。私はコロナの前は良く、認知症の体験を話していた。
- 役割を見つけて、それに励む。ボランティアを見つけて、ボランティアに励む。
- 元気な認知症当事者から元気をもらう。
- ちょっとガンバって、いろいろなイベントに参加する。
- 適切な睡眠、休養をとる。
- 無理のない範囲で各種勉強を始めてみる。習い事を始める。例えば英会話
- 毎日、健康に過ごす。毎日生かされていることに感謝して、それを口に出して言う。
- 楽しいことを考えたり、計画する。
- 毎日、自分から挨拶をする。
- 人を愛する。人に奉仕する。
【地域づくりに取り組んでいる人に伝えたいこと】
- 認知症の人が世間に合わせるのではなく、世間の人が認知症の人に合わせる社会をめざす。例えば、認知症の人はものごとが覚えにくいが、認知症の人が覚えていなくとも、周りの人が覚えていて、認知症の人が覚えていなくとも責められない社会をめざす。
- みじかな人の顔を認知できなくなっても、「あなたが私たちのことを忘れても、私たちがあなたを覚えているから大丈夫」と、認知症の人を安心させる優しい言葉をかける。
- 私たちの能力を信じて、何度でも挑戦させて欲しい。
- 気分、体調によってやりたくないときもあるので、それをしなくとも、できないと決めつけないで欲しい。
- 認知症本人は介護される対象だけでなく、私たちの構成する社会の一員であるので私たちが活躍できる、機会、場所を与えて欲しい。
- 同じ質問をしても、前回した質問を忘れているので毎回はじめて質問する気持ちなので、同じ回答でいいから、毎回笑顔で優しく対応してもらいたい。
- 個性、好みを大切にして欲しい。保護すると言う名目で私たちの自由を奪わないで。
- 時間がかかると言う理由で、できることまで取り上げないで欲しい。
- 正面の視野に入ってから、わかりやすくて話して欲しい。早口で喋らない。
- 反応が遅くても、考えているので待って欲しい。
【伝えたいこと】
- 認知症でも不便であるが不幸でない。
- 自分の能力を信じて大らかに生きる。
- 自分にはわからないが、神様のご計画があるので、どんな試練にも負けない。
- 失った機能を嘆いたり、数えたりしないで、残された機能に感謝して生きる。
- 自分には、無限の可能性が秘めていると信じて、自分に自信を持って、自分の人生を歩む。
【こんな社会を作ろう】
- 認知症の人が世間に合わすのではなく、世間の人が認知症の人に合わす世間。例えば、認知症の人は、新しいことを覚えることが苦手です、そんな時、私たちが覚えているから大丈夫ですよと、声をかける社会。
- 効率第一主義でなく、ゆとりある、待っていても、ギスギスしない社会。
- 困っている人がいたら、何かお困りですかと手助けをする優し社会。
- 間違っても、失敗しても責めない、寛容な社会。お互い様であるという認識を持つ社会。
- 障害があってもなくても、あの人たちはかわいそうな人で上から目線で、助けてあげようとゆうような態度でなく、一緒に楽しみましょうという、仲間意識で付き合う社会。
- 相手から挨拶を待つのではなく、自分から挨拶をするフレンドリーな社会。
- 認知症の人にも、役割、活躍する場所がある社会。認知症の人は人に役立ちたいと思っています。
- 先回りしてものごとを行うのではなく、その人の能力を開花させる、行動をする社会。
- 相手の立場に立て行動する社会。
- 障害者と健常者が対等立場で話し合い、共に共生し合う社会。一緒に楽しむ社会。
まとめ
お互いに共生し合い、共に楽しく暮らす社会を作っていきましょう。 以上
佐藤雅彦さんプロフィール
-
1954年、岐阜県の6人兄弟の次男として生まれる。
-
小学校の頃から、算数が得意な、作文の苦手な少年でした。
-
1977年名城大学理工学部数学科卒業。
-
中学校の数学の教師を経て、システムエンジニアとして勤務。
-
39歳の時、洗礼を受け、クリスチャンになる。
-
2005年51歳の時、アルツハイマー型認知症と診断される。
-
診断後、地獄の生活を送るが、旧約聖書「わたし(神)の目にはあなたは高価で尊い、わたしはあなとを愛している」で立ち直り、認知症の体験を全国で講演、講演回数100回以上。
-
2014年認知症の全国組織、日本認知症ワーキンググループを立ち上げ、共同代表に就任。
-
2014年認知症の体験談を綴った『認知症の私が伝えたいこと』を大月書店より出版。
-
趣味 絵画作成、ピアノ演奏、個展も開いたし、ピアノ発表会のしたし、画集も出版。
-
現在、66歳、ケアハウスで一人暮らしをしている。
-
ホームページ:www.sato-Masahiko.com