トイレの失敗が多いのに…
全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。
■トイレの失敗が多いのにオムツをはずしてしまい大変困っています。
母親は78歳、要介護2、認知症がありま す。トイレの失敗が多くてオムツを使っています。「自分でトイレ はできる」と言ってオムツをはずして失敗しますので後始末が大変です。最近はオムツかぶれも見られます。どうすればいいのか悩んでいます。相談者(55 歳・娘)
介護家族A:あ きらめて我慢の時期です
この時期は本当に打つ手がなく困り果てます。オムツをつけることに抵抗がなくなる時期が来るまで、あきらめて我慢するしかないと割りきってはいかが でしょう。
施設職員B:「オ ムツが合っていないようです」
使用されているオムツの大小、厚さ薄さが肌に合わないと気になってはずされることがあります。オムツを代えてみてはどうでしょうか。また介護用品店 でオムツフィッター(注)さんに相談されたらいかがですか。オムツだけでなく色々な相談に乗ってくれますよ。
介護家族C:オ ムツをつけさせることを我慢して
時間や様子を見てトイレ誘導できないでしょうか?「お母さん、ちょっと付いてきて」とトイレの方へ誘い、入り口で「私も行くけど、お先にどうぞ」と 交代されたらいかがですか。
ケアマネジャーD:つ なぎの服もやむを得ない
どうしても介護の手に余るようであれば、この時期だけ、つなぎの服を着てもらうのも家庭介護ではやむを得ないと思われます。
見取り終えた介護者E:失敗の原因を見つけて対策を考えてみては?
(1)トイレに行きつくまでに漏れてしまう場合は、ポータブルトイレを置く。(2)トイレには行けても便器の使い方や衣服の脱ぎ方が分からず漏らす 場合は、トイレの気配で付き添い手助けする。(3)トイレの場所が分からない場合は、道順に矢印を付け、ドアは開けたままにし、電灯は夜中もつけておく。 などいくつか方法はあります。うちも困り、先輩介護者に相談したら、トイレの使い方でしたので付き添いました。
医師F:治 療で改善する場合もあります
失禁には、薬剤や泌尿器系の病気に関連しているものもあり、治療により改善する可能性もあります。一度、排泄や失敗の状況をメモして泌尿器科の医師 に相談してみることをおすすめします。排泄に関して、介護と医療の両方から考えていくことが必要でしょう。
(注)オムツフィッター
排泄トラブルが生じたときに、症状の把握をした上で適切なアドバイスやモノを提案する認定資格。オムツの提案だけでなく、医療や住環境、適切な福祉用具な ど、幅広い視点から快適な排泄ケアを考える。