アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ(製品名:アデュヘルム)」日本での継続審議の決定について
厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会」により、アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ(製品名:アデュヘルム)」の継続審議が決定された報道を受け、下記の通りコメントを発表いたします。
2021年12月24日
アデュカヌマブの承認審査の結果についてのコメント
認知症の人と家族の会代表理事 鈴木 森夫(すずき もりお)
アルツハイマー病のアミロイドβ 仮説に基づく新薬「アデュカヌマブ」の日本での承認の可否を決める国の「薬事・食品衛生審議会・医薬品第一部会」が開かれ、「継続審議」という結果になりました。
一日も早く、新しい薬、新しい治療を待ち望む私たちにとっては、とても残念な結果でした。そのような思いに応えるためにも、関係者の方々には、迅速に対応いただくことを強く望みます。
そして、承認後も治療費が高額になると予想されることから、希望する人が治療できる金額になるよう、努力していただきたいです。
日本でもアルツハイマー病の根本的な治療の可能性が生まれ、治らない病気でなくなることは、希望の光であり、次に続く突破口になると思います。
残念ながら、今回の新薬は傷ついた神経細胞や萎縮した脳を元に戻す効果はなく、進行した人は対象外と聞いています。新薬の開発と同時に、さまざまな症状や生活上の困難に向き合う本人や家族が望む、今の状態を維持・改善できる治療方法やケア、制度の充実にも、社会全体で力を入れていただきたいです。
「認知症になっても安心して暮らせる社会」の実現には治療薬の存在はとても重要であり、引き続き関係者の一層の注力をお願いするとともに、当事者(認知症の人と家族)にとって希望の持てる未来が来ることを望みます。
リソースリンク
新聞
Yahoo!ニュース(朝日新聞) https://news.yahoo.co.jp/articles/60913358cdb28403be4ba08a548cd40102522b50
読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/medical/20211222-OYT1T50186/
産経新聞(代表コメント) https://www.sankei.com/article/20211222-C4N6N4LFIJMTRH5NKRD2L3Z62Q/
プレスリリース
エーザイ株式会社 https://www.eisai.co.jp/news/2021/news2021101.html
バイオジェン・インク https://www.biogen.co.jp/ja_JP/news-insights/japanaffiliatenews/2021-12-22-news.html
参考動画
アデュカヌマブがどのような薬かを5つの質問に答える形で解説した動画(Youtube)を公開しています。この動画は、2021年6月にアメリカFADでの承認を受けて作成したもので、今回の日本での結果を踏まえたものではありませんのでご注意ください。
1.アデュカヌマブは今までの薬とどこが違う薬ですか?
2.アデュカヌマブの具体的な検査、服薬方法、回数、治療期間は?
3.アデュカヌマブの対象になる人は?だれに使えるの?
4.アデュカヌマブはいつから日本で使えるようになるの?
5.アデュカヌマブの治療費はどれぐらいかかるの?