一人暮らしの父が「金がない」と毎日電話をしてきます。 私はすぐには帰省できず、どうしたらいいかわかりません。
全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。
■一人暮らしの父が「金がない」と毎日電話をしてきます。
私はすぐには帰省できず、どうしたらいいかわかりません。
実父(72 歳)は、教職を退職後、民生委員や、趣味の囲碁等を楽しんでいました。
2年前に母を亡くしてからは一人暮らしをしています。
その父は、頻繁に娘の私にお金がないと電話をかけてくるようになりました。実家が遠く、同居の義母の介護でなかなか帰省もできず、状況もつかめなくて悩んでいます。( 相談者:47 歳、長女)
世話人:まず帰省して状況を知りましょう よく来てくださいました。大変ですね。お金がないことの訴えが毎日続いているのであれば、さみしさや不安、妻を亡くした喪失感だけが原因ではないと思われます。無理してでも帰省し、暮らしぶりについて、近くの親戚の方やご近所に聞いてみるのも必要でしょうね。今までと違う状況が確認できるかもしれません。まず現状を知りましょう。
精神科医:病気があるか調べてもらってください ご高齢になって一人暮らしになると生活の変化がなかなか外からではわかりづらいことがあります。「年だから」とか「奥さんを亡くして間もないから」とかで、もの忘れとか勘違いですませることが多いようです。病気が原因の場合もあります。
かかりつけ医に相談して、必要なら専門医を紹介してもらってください。
包括支援センター職員:公的な機関に相談を 地域包括支援センターは高齢者の総合相談や地域のネットワークつくりなどさまざまな方法で高齢者の生活上の変化の確認や見守りを行っています。行政の福祉課でお父さんのお住まいの担当地域包括支援センターを聞き、一度相談されることをお勧めします。
看取り終えた会員:私は初期に引き取りました 別居していた母親を介護することになったきっかけは、物忘れのために生活に乱れが出てきたことでした。近所からの「おかしいよ」の連絡ですぐに見に行きましたら、三度三度の食事がきちんとできていませんでしたので、母の意思に反してですが引き取って最期まで看ました。でもお義母さんと同居のお宅への引き取りは難しそうですね。
ヘルパー:在宅サービスの利用も お父さんの気持ちを思うと、なんらかの不安から「お金がない」と娘さんに自分の危機を訴えているのではないでしょうか。寂しさを紛らし、人とのかかわりで新しい楽しみができるようにヘルパーやデイサービスなど介護サービスを利用しては。利用に至るまでは難しいでしょうが、あの手この手で。
世話人:あなたがどうしていきたいか、方針を決めることも必要です お元気だと思っていたお父さんの変化に戸惑われている心中をお察しします。お義母さんの介護もあり大変ですね。今回のようにいろいろな方のアドバイスを聞いて今後の方針を決めましょう。あれもこれも、両方どっちもは無理で、割り切りも必要です。