つどいは知恵の宝庫~介護初心者の悩みに応える~

全国の支部で行われている家族の「つどい」。その中で出てきたいろいろな悩み。その悩みに応える形で、介護初心者の悩みにお答えします。会報ぽ~れぽ~れの人気記事の抜粋です。

気丈で負けず嫌いな母が失禁の世話を拒否して不穏になるので悩んでいます。

母が認知症です。母娘二人で暮らしています。苦労して私を育ててくれました。
それだけに、尋常ではないほど気丈で、負けず嫌いな人です。時々失禁してしまうので紙パンツをはいています。私が介助しようとすると猛烈な勢いで暴れます。汚れているのがわかってほおっておくのはかわいそうと思い、つい手を出してはトラブルの繰り返しです。悩んでいます。 (相談者:娘62 歳)

世話人:パンツの種類を変える 戸惑いや恥ずかしさを感じているので難しいですが、お母さんの気持ちを傷つけないように接してあげられるとよいですね。今の紙パンツは良くできているので、かなりの尿量を吸収できます。漏れていることが多いようなら、もう少し吸収量の多いものに換えるのも良いと思います。パッドを併用するのもいいでしょう。

介護経験者A:自分で始末しやすいように準備 私の母もかなり頑固で大変でしたが、自分で取り換えるようにトイレの中に交換用のパンツと汚れたパンツを捨てるための入れ物をわかりやすくおきました。そして、ここに捨てておいてくれると「とてもありがたい」と何度も説明したら、そのうちに自分で取り換えて捨てるようになり、他のことができなくなってもこの習慣は続けられました。
衣服も脱ぎ着しやすいものを選ぶようにしました。

ケアマネジャー:このままで様子を見る 母親の立場としては、いつまでも娘の面倒を見る立場でいたいもののようです。それで、娘さんから介助を受けることを受け入れられないのでしょう。でも、お母さんが穏やかに過ごせることが大切だと思います。まだ、いつも失禁してしまっているということではないようですから、つい手を出してしまう前に、もう少しお母さんの様子を見るようにしてみてはどうでしょうか。

看護師:汚す回数を減らす 排泄の介助はとても難しく、誰もが悩む課題です。ご苦労様です。お母さんのプライドを傷つけないために、汚れてしまったのをどのように取り替えるかよりも、汚す回数を減らす方法を考えてみましょう。
そのために、「掃除するけれど今の間に使ってくれる?」などと無理強いにならないようにトイレの回数を増やしてみたらどうでしょうか。

介護経験者B:交換は最小限でよいのでは お母さんへの感謝の気持ちから介助してあげようとすることがトラブルの原因になるとは、切ないですね。トラブルが続いて娘さんの感謝の気持ちが萎えてしまうことが一番心配です。まだいつも失禁状態ではないようですから、紙パンツの交換は着替えや入浴の際など、最小限に止めておいてよいのではないかと思います。

施設職員:交換してくれるととても助かると伝える 「今、着替えてくれると助かるわ」と洗濯を口実に着替えのズボンやスカートの中にあらかじめ組んでおいて渡したらいかがでしょう。交換してくれると「うれしい」「助かる」という気持ちを十分に伝えるとうまくいくことがあります。

医師:当たり前のことであると説明する 年をとれば失禁する人の方が多く、当たり前であることをおりにふれて話してあげてください。買い物のついでに、人がたくさんいる紙パンツ等の売り場に一緒に行ってみてもいいかもしれません。かかりつけ医の力を借りて、このようなことを話していただくとよいのではないでしょうか。