全国研究集会2012 in ひょうご

全国研究集会2012 in ひょうご

認知症の人と家族への援助をすすめる全国研究集会2012

認知症の人と家族への援助をすすめる全国研究集会2012は、900名の参加を頂き、無事終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

前田先生の講演の様子。

 

シンポジウムの様子。左から南條氏、勝又氏、藤原氏、酒井氏、河西氏、高谷氏、前田氏。

今後の予定

2013年度開催 鳥取県米子市

2014年度開催 青森県

2012年(兵庫)の案内:終了分

日時2012年10月28日(日)
午前9:30~午後4:00

場所:神戸文化ホール 大ホール(〒650-0017兵庫県神戸市中央区楠町4-2-2)

参加費:2,000円+弁当代(700円、希望者のみ)

定員 1400名

●講演

精神科医 前田 潔 氏
(神戸大学名誉教授 神戸学院大学教授)
「精神科医療のなかの認知症医療・介護」

●事例発表

□ 地域での取り組みと制度改正の影響 泉 早苗 氏(青森県、ケアマネ)
□ 被災地の介護家族の暮らしと願い 今野光子 氏(岩手県、元介護家族)
□ 男性介護の困難さと要望 谷村忠之 氏(兵庫県、介護家族)
□ 新しい地域連携の取り組み 丸山貴司 氏(京都府、宇治市地域包括)

●シンポジウム

テーマ
「認知症の人に本当に必要な介護を確認しよう」

コーディネーター
南條静子 氏
(兵庫県支部副代表)

コメンテーター
前田 潔 氏(神戸大学名誉教授)

シンポジスト
勝又浜子 氏(厚生労働省認知症・虐待防止対策室長)
藤原恵美子 氏(兵庫県健康福祉部社会福祉局高齢社会課課長補佐)
酒井邦夫 氏(男性介護家族)
河西美保 氏(介護家族)
髙谷育男 氏(神港園しあわせの家施設長)

お問い合わせ

公益社団法人認知症の人と家族の会・兵庫県支部
第28回全国研究集会実行委員会(担当:脇田)
〒652-0803 兵庫県神戸市兵庫区大開通6丁目3-23-301
TEL078-381-9473
申し込み専用ファックス078-330-8430

参加費:2,000円+弁当代700円(希望者のみ)

内容紹介

講演

「精神科医療のなかの認知症医療・介護」 精神科医 前田潔氏

「認知症かな」と思ったら早期に専門医にかかりましょうと言われています。しかし、相談できる認知症専門医が少ない中、特に初期、進行していない症状の出ていない段階での認知症の診断は難しいものです。

認知症専門医には精神科、神経内科、老年内科などがあります。初期の段階の認知症と紛らわしい症状(抑うつや軽度の意識障害、妄想)の診断と治療は精神科以外の診療科の医師は苦手とするところです。全国に1000以上の精神科病院があります。アクセスが容易という点も含め、認知症治療の中核は精神科医が担っていると思っています。

精神科医療と認知症医療の関わり、認知症の介護についてお話したいと思っています。

事例発表

事例発表1 「男性介護の困難さと要望」兵庫県、介護家族 谷村忠之氏

妻が不眠から精神科に受診してから、開業医に変わり、さらに専門病院でやっと「初期の認知症」と診断されるまで2年かかりました。

妻は何もする気が起らない一方、自分の嫌なことはなんとかしないようにするなど一般的に認知症と言われる症状とは違う面を見せています。今は周辺症状を抑えるために薬を調整することで穏やかに過ごしています。

娘夫婦が同居しているとはいえ、主たる介護者として男性介護者としていろいろと考え、悩むことがあります。同じような思いを持っている男性介護者がつどい、医療と介護サービスの利用によってその悩みが解消できるよう働きかけたいです。

事例発表2「被災地の介護家族の暮らしと願い」岩手県、元介護家族 今野光子氏

東日本大震災で被災した家族の体験談です。被災した際、認知症の母親は心臓病で入院していましたが、多くの避難者や治療対応のため、退院をすることになりました。空家を借りることができたものの、医療と介護サービスを受けることができないまま7日目で母親は亡くなりました。

自分たちでは災害時に機能しない医療と介護サービスをどうすることもできずに今にも消えそうな命を守れなかった無念さと自責の念はその後ずっと続きました。

被災した人たちを励まし、頑張ろうと思ってもらえる医療と介護サービスの緊急時のいち早い連携の仕組みが出来上がることを願っています。

事例発表3「地域での取り組みと制度改正の影響」青森県、ケアマネ 泉 早苗氏

介護支援専門員の立場から、認知症の人と介護されている家族があまりにもいろんなことを知る機会がないことに驚いています。

認知症という病気のこと、認知症の人と家族を支える介護保険のサービスのこと、地域の支援制度のことなどを知らないために困っている人がどれほど多いかということを実感しています。

また、今度の制度改革で今まで利用してきたサービスが利用できなくなってきている現状もあります。

認知症になっても普通に暮らせて、普通に仕事のできる地域になるよう、地域のいろいろな年代の方々に伝えていく活動を続けていきます。

事例発表4 「新しい地域連携の取り組み」京都府、宇治市地域包括 丸山貴司氏

宇治市では平成13年から認知症予防対策に取り組んできた中、中重度の方への対応が大きな課題となっていきました。

平成21年に病院の医師の声かけで「宇治市認知症ケアネットワーク」が始まりました。地域包括支援センターからの事例発表、質疑や意見交換を行った後、医師からのコメントをいただくカンファレンスを行っています。今では地域包括支援センターやケアマネージャーが研鑽できる場となり、困ったケースを相談できる心強い後ろ盾として定着しています。

各種専門職や市民を広くつなげ、認知症の初期からターミナルまでを支える地域ぐるみのケアの在り方について確かな技術を積み上げていきたいと思っています。


 

開催趣旨:
東日本大震災を契機に国や地域の制度や仕組みを見直そうという機運が高まってきています。今まで安全だとされていた原子力発電所の事故などから、「何を信 じていいのか」「このままでいいのか」「日本に未来はあるのか」という言い知れぬ不安感がその根底にあるといえるでしょう。
認知症の人の介護においても同じ声が挙がってきています。

「必要なひとが必要なときに必要なサービスを受けることができているのか。
それを支える地域の仕組みや制度ができているのか。
私たちは我慢していないか、あきらめていないか。」

介護保険法ができてから12年が経った今、このような基本とも言える事項をもう一度確認する必要があるのではないでしょうか。4月に改定を行った介護保険法が果たしてその役割を担うに値するものになっているか検証してみようではありませんか。
兵庫県支部は阪神淡路大震災を経験しました。復興を成し遂げた今、震災直後よりも復興途上での問題の方が多かったことが反省されています。
復興途上の混乱している中、医療・介護サービス・地域が認知症の人と家族を見捨てることなく、希望ある明日に向けて手を差し伸べ続けてくれるよう提言する 必要があります。穏やかでいて、生き続けられることの喜びを感じられる制度や仕組みが作られるよう全国に発信していきます。

過去の情報

  • 全国研究集会2011 in 長野-認知症になっても笑顔のままで

2011年は、長野県長野市で開催しました。こちらをクリックして下さい。
全国研究集会長野

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