「レカネマブ」第3相試験結果について(コメント)

2022年9月28日、エーザイ株式会社とバイオジェン社より、早期アルツハイマー病に対する治療薬として現在開発中の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「レカネマブ」の臨床第3相試験について、統計学的に有意な結果が得られたことが公表された件について、「家族の会」代表理事からの以下のコメントを発表しました。

レカネマブの臨床第3相試験の結果公表について
(代表理事コメント)

2022年9月30日

公益社団法人認知症の人と家族の会
代表理事 鈴木 森夫

 エーザイ株式会社とバイオジェン社より、早期アルツハイマー病に対する治療薬として現在開発中の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「レカネマブ」の臨床第3相試験について、統計学的に有意な結果が得られたことが公表されました。

 一日も早く、新しい治療薬を待ち望んできた私たちにとって、大変喜ばしい結果であり、まさに希望ある未来に近づく朗報といえます。関係者のご尽力に感謝いたします。

 昨年6月には、アメリカのFDA(米国食品医薬品局)で承認された新薬「アデュカヌマブ」に対し、大きな期待を寄せましたが、日本では承認が見送られ、アメリカでも普及が進んでいないと聞いており、今日まで大変に残念な思いをしてきました。

 認知症とともに歩む当事者にとって治療薬の存在はとても重要であり、今回のレカネマブの結果については、引き続き承認に向け、審査当局等との協議が確実な歩みで進められるよう一層の注力をお願いいたします。さらには、この病に苦しむ誰もが、安心して、適切な価格で使える薬となることを切望します。

 「認知症になっても安心して暮らせる社会」の実現に向けては、これら新薬の開発や承認によって、すぐさま全ての課題が解決されるわけではなく、行政においては、今後認知症施策・支援制度の充実と、医療・介護サービスをより使いやすいものとするよう、取り組みを進めてください。

 市民の皆様には、認知症に対する理解をより深めていただき、今、困難と向き合う認知症の人とその家族に心を寄せてください。そして、薬だけでなく、適切なケアや、地域の人々の正しい理解が、現状のくらしを維持・改善ができることを知っていただきたいと思います。

以上

関連リンク

プレスリリース|エーザイ株式会社

 https://www.eisai.co.jp/news/2022/news202271.html

エーザイ、認知症の悪化抑制確認 新薬治験、承認申請目指す(共同通信)|Yahoo!ニュース

 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6440015


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