日本でのレカネマブ承認について(代表理事コメント)

日本でのレカネマブ承認について(代表理事コメント)

2023年8月22日

公益社団法人認知症の人と家族の会
代表理事 鎌田 松代

エーザイとバイオジェンが共同開発された早期アルツハイマー病治療薬レカネマブが、8月21日の厚生労働省の専門家部会で審議され、承認が了承されたとの朗報が届きました。「治りたい」「治したい」という認知症の人や家族の希望への道が大きく開かれたことを喜んでいます。

研究・開発等に関係するみなさまが、多くの壁にぶつかりながらも長年にわたり努力されましたことに感謝いたします。

レカネマブは、アルツハイマー病の発症原因とされるアミロイドβタンパクを標的にした治療という画期的な薬と聞いています。

しかし、新薬の治療対象者は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度の認知症に限られていると聞いています。また、この薬については、まだまだ適切かつ十分な情報がありません。そのため、詳細を知った結果、落胆する認知症の人や家族がいます。新薬に関しての、わかりやすい情報提供をお願いいたします。

また、治療対象外の認知症の人や家族は、「今の状態が進行しないような薬」「進行した病状でも治る薬」を希望しており、薬の開発がさらに進むことを待ち望んでいます。

日本で新薬が実用化されるにあたっては、確かな診断・診療が受けられる医療機関の紹介や、経済的負担の軽減が必要です。治療対象となる方が希望すれば治療できる、早期発見・早期対応が可能となる地域体制づくりを期待します。

認知症とともに生きるためには、医療の発展とともに、認知症になっても安心して自分らしく暮らせる社会の実現が必要です。6月に成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」はその社会を創る基本の法律と考えます。国民のみなさまが、認知症を自分事ととらえ、正しく理解し、一人ひとりが自分らしく生きられる地域づくりに、認知症の人や家族が参画する取り組みが進むことを望みます。

以上


(参考)「認知症の人」と「家族」向け動画:YouTube

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