鎌田松代代表の日日是好日-2024年6月

<2024年6月号掲載>鎌田松代代表が、活動の中での出来事をお届けします。

広島県支部相談役 村上敬子さん

1.村上敬子さんのご紹介

尊敬する大先輩の村上敬子さんは2024年1月の誕生日で89歳になられました。でも、レリアンの服を素敵に着こなし、背筋もぴんと伸びて若々しいのです。

26年間務めた広島県支部の代表から相談役に、4 月の支部総会で就任されました。どの支部も悩み多い支部代表交代を、見事にやり遂げられました。次の体制をどうしていくか、数年かけて世話人や顧問の方々と相談しながら、新代表の鈴川千賀子さんに引き継がれました。

当会が結成した時から本部役員、法人化以降は理事として支えてくださいました。鎌田が会報編集委員長となりオブザーバーで出席した理事会では、常に介護者の思いや支部活動の状況を発言されていました。

昨年、代表理事に就任した際も電話をいただき、広島弁で「女性で初めての代表なんじゃけえ、がんばりんさい」と。

そして、①会は仲良しの会ではない②話し合って③行政とともに④ネットワーク⑤人材育成―という貴重な心得もいただきました。村上さんの心遣いと深い愛情を感じて思わず涙しました。

村上敬子さん(中央)と息子の利雄さん(右)

2. 義父母、叔母、実母を看取った介護者の体験からの支部活動

 ― NHK広島 ひろしまWEB特集 「自分や身近な人が認知症になったらどうしますか? 広島で支援続ける88歳の思い」2023年10月6日放映の番組紹介から―

認知症となった義理の父と母、おば、それに実の母の4 人を長年、介護してきました。毅然とした人だったという義理の父親は元教員。突然家から姿を消し、東京や大阪など遠くで見つけたこともありました。実の母親は脳梗塞でまひが残り、歩くことも難しい中での介護でした。

最期は娘の村上さんの腕の中で亡くなりました。4 人の介護を経て、村上さんには感じてきたことがありました。

「義理の両親もおばも教員でした。そういう方が認知症になった。でも、4 人とも人生を一生懸命生きてきました。私たちもそうやって生きてきているじゃないですか。いずれ老いれば誰もが認知症になってしまうかもしれない。その人の人生を大事にしていかなきゃいけないですよ。認知症になったからといって蔑視してほしくないんです」
https://www.nhk.or.jp/hiroshima/lreport/article/005/78/ より引用)

認知症の症状ではなく、その人の人生を受けとめることが、ほんとうの介護であることを教えてくださっています。

3.認知症の人や家族の声を聴きながら活動

30歳代からずっと肉親の介護を続けてこられた村上さん。1999年には初代支部代表だった夫の昭さんが急逝され、後を引き継いだ支部代表でした。一人息子の利雄さんは知的障がいがあり、その当事者運動を通じて学んだことも多いとのこと。

介護者を孤立させてはいけない、認知症になった人やその家族が悩みの本音を吐き出せるようにしてあげたいとの思いで、相談を受け続けてきたといいます。なかでも特筆されるのは、若年性認知症の取り組みです。家族からの切実な声をきっかけに広島の「陽溜まりの会」が生まれました。介護者だけではなく、認知症の人も家族も一緒に、また場面によってはそれぞれ別々に、という現在の「一体型支援」の原型のような“ つどい” を始められたのです。これは全国に広がり、現在は35支部が開催しています。

介護や人生を教えてくださる先輩と出会えるのも「家族の会」の素晴らしいところです。私もそこで人として成長し、会の発展や深化に少しでもお役に立つことができればと願っています。

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