2024年度支部代表者会議アピールを発表

 2024年10月19日(土)、和歌山県でハイブリッド(会場参集・オンライン)で開催した2024年度支部代表者会議は、全国の支部代表者を含む約150名(オンライン含む)が出席し、活発な意見交換がされ終了しました。
 そして、「認知症基本法を基点に、介護のある暮らしに安心と、介護家族支援の充実を認知症の人の支援とともに望む」と題した支部代表者会議アピールが採択されました。

認知症基本法を基点に、介護のある暮らしに安心と、介護家族支援の充実を認知症の人の支援とともに望む

2024年10月19日

               認知症の人と家族の会支部代表者会議 参加者一同

 今年施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(認知症基本法)」における「認知症共生社会」の実現には、認知症の人や家族等の参画、当事者目線が不可欠です。

 本日和歌山市で開催した、支部代表者会議には約150名が会場およびオンラインで参加し、認知症基本法での参画はじめ、安心して介護のある暮らしとするための認知症の人を介護する家族支援や介護保険制度の現状などについて話し合いました。

 認知症基本法の基本計画の中心には「新しい認知症観」が据えられていますが、これは当会が長年発信してきた「認知症でも心は生きている」そのものです。国民一人ひとりが自分ごとして認知症を理解すること、認知症になってからも住み慣れた地域で仲間等とつながりながら希望をもって自分らしく暮らし続けることができるという新しい認知症観への国民の理解が進むことは本会が希求してきたことであり、認知症の人と家族にとっての希望となるものです。

 それとともに認知症基本法第三条五には「認知症の人に対する支援のみならず、その家族…に対する支援が適切に行われ…安心して日常生活を営むことができるようにすること」と謳われています。しかし、認知症基本法の基本計画の議論を経て、認知症の人とともに相互に助け合い暮らしている家族等への支援が、法律の制定議論から、後退したようにしか思えない内容となってしまいました。

 介護家族も人権と権利を享有し、介護の中でも自分らしく生きるための支援の充実を求めていくために、当会では「認知症介護家族の権利宣言」に向けて意見交換を続けています。認知症基本法が認知症共生社会を真にめざしていくためにも、認知症の人への支援の充実のためには介護家族支援が不可欠であることを理解していただけるよう、声をあげていきます。

 一方で、介護保険制度は介護家族の負担を強いる改正がますますすすんでいることに強い懸念を感じます。認知症基本法の第三条「基本理念」の四には「認知症の人の意向を十分に尊重しつつ、良質かつ適切な保健医療サービス及び福祉サービスが切れ目なく提供されること」が謳われています。利用料や介護保険料など負担増はすすみ、在宅介護の要である訪問介護員やケマネジャーなど介護人材不足は加速度を増し危機的な状況です。これは利用者である認知症の人と家族の生活に大きく影響し、私たちの不安を増しています。「訪問介護は在宅生活の要です。介護者を殺人者にしないために、根本的な対策を国は講じてほしい」という悲痛な家族の声に耳を傾けてください。

 認知症基本法による共生社会の実現を目指し、介護保険制度が形骸化せずわたしたちの暮らしが安心して継続できるよう、認知症とともに生きる認知症の人と家族への支援の一層の充実を望みます。

以上

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