MCI(軽度認知障害)とは?
MCI(マイルド・コグニティブ・インペアメント:軽度認知障害)は、認知機能が低下している状態ですが、日常生活には大きな支障が出ていない、認知症ではない段階を指します。
一般に、記憶や判断力、集中力などの低下が見られ、認知症とは異なり、必ずしも生活全般に支障をきたすわけではありません。しかし、認知症の一歩手前や初期段階とされることも多く、場合によっては認知症に移行することもある状態と考えられています。
MCIの特徴には、以下の点がよく挙げられます。
- 記憶の低下:特に最近の出来事や、新しい情報を覚えることが難しくなる。
- 判断力の低下:日常の判断や、物事の段取りにおいて迷いが生じる。
- 集中力や注意力の低下:会話や活動に集中しにくくなることがある。
MCIの原因と進行
MCIの原因は様々で、脳の老化、ストレス、糖尿病などの生活習慣病が影響することがあります。これらは認知症を発症するリスクとも言えます。
適切な生活習慣や治療によって認知機能の低下を遅らせたり、改善を図ることも可能と言われています。
MCIと認知症の違い
MCIと、認知症の具体的な違いは、生活をする上で大きな支障の有無によって異なります。また、認知症は診断基準がある「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」など病名が診断される状態ですが、MCIは前段階として、健常な状態と比べ、認知能力に障害がある状態を指します。
有病率と将来推計
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の15.5%(7人に1人)がMCIであり、559万人がこの状態であると推計しています(2022年)。
またこの割合は高齢化の進行で、将来的にも増加傾向にあると考えられています。
参考:認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計(PDF)
Webサイト
国立長寿医療センター:あたまとからだを元気にする MCIハンドブック ウェブ版
テレビCM
テレビでMCI(軽度認知障害)の啓発CMが2024年11月15日から放送されています。
Webサイト
認知症にまつわる情報のポータルサイト“テヲトル”で、軽度認知障害についての解説があります。
会報ぽ~れぽ~れ
「家族の会」会員にお送りしている「会報ぽ~れぽ~れ」2023年7月号に掲載した「認知症を発症するまでの経過は?」では、MCIについて、和田健二先生(川崎医科大学認知症学主任教授)の記事を掲載しています。
下記URLよりご覧ください。