ガバナンス・コンプライアンス整備に向けた基本規程
公益社団法人認知症の人と家族の会(以下、この法人という。)は、ガバナンス・コンプライアンス整備に向けて次の基本的事項を定め、この法人のすべての役職員は、これを遵守するものとする。
第1章 総会の運営に関する規程
(特別の利害関係を有する場合の決議からの除外)
第1条 総会の議決について、特別の利害関係を有する代議員は、その議事の議決に加わることができない。
第2章 役員の報酬等に関する規程
(役員の報酬額)
第2条 理事及び監事のうち、この法人を主な勤務場所とする者(以下、「常勤の役員」という。)の報酬等の額は、各事業年度に支給する報酬等の総額が1名当たり500万円を超えない範囲で、理事会において定める。代表理事は、理事会において定めた常勤の役員の報酬等の額を、通常総会に報告するものとする。
2 常勤の役員を除く役員は、無報酬とする。
第3章 倫理に関する規程
(基本的人権の尊重と法令等の遵守)
第3条 この法人は、すべての人の基本的人権を尊重し、差別や個人の尊厳を傷つける行為はしてはならない。
(法令順守)
第4条 この法人は、関連法令及びこの法人の定款その他の規程・内規を厳格に遵守し、社会的規範に悖ることなく、適正に事業を運営しなければならない。
2 役職員は、民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律(以下、「休眠預金活用法」という。)第17条第3項で規定されている宗教団体、政党、特定の公職の候補者、暴力団等に休眠預金等交付金に係る資金が活用されることのないように、細心の注意を払わなければならない。
3 この法人は、反社会的勢力との取引は一切行ってはならない。
4 役職員は、不正若しくは不適切な行為又はそのおそれがある行為を認めた場合には、躊躇することなく各規定に則り対応しなければならない。
(私的利益追求の禁止)
第5条 この法人の役職員は、公益活動に従事していることを十分に自覚し、その職務や地位を自己又は第三者の私的な利益の追求に利用することがあってはならない。
(利益相反の防止及び開示)
第6条 この法人の役職員は、その職務の執行に際し、この法人との利益相反が生じる可能性がある場合は、直ちにその事実の開示その他この法人が定める所定の手続に従わなければならない。
2 この法人は、理事会の決議に当たっては、当該決議について特別の利害関係を有する理事を除いて行わなければならない。
3 この法人は、利益相反防止のため、役職員に対して定期的に「利益相反に該当する事項」について自己申告させるとともにその内容を確認し、必要な是正措置を講じなければならない。
(特別の利益を与える行為の禁止)
第7条 役職員は、特定の個人又は団体の利益のみの増大を図る活動を行う者に対し、寄付その他の特別の利益を与える行為を行ってはならない。
第4章 利益相反防止に関する規程
(自己申告)
第8条 役職員は、名目又は形態の如何を問わず、その就任後、新たにこの法人以外の団体等の役職を兼ね、又はその業務に従事すること(以下「兼職等」という。)となる場合には、事前に事務局長に書面で申告するものとする。
2 前項に規定する場合のほか、この法人と役職員との利益が相反する可能性がある場合(この法人と業務上の関係にある他の団体等に役職員が関係する(兼職等を除く。)ことによってかかる可能性が生ずる場合を含むが、これに限られない。)に関しても前項と同様とする。
3 役職員は、原則として、次に掲げる行為を行ってはならず、やむを得ない理由によりかかる行為を行う場合には、事前に事務局長に書面で申告するものとする。
(1) この法人が、休眠預金等交付金(休眠預金活用法第8条に定める休眠預金等交付金をいう。以下同じ。)に係る助成金を受ける場合、その助成金の支給に関わる団体(以下「助成金関係団体」という。)又はこれになり得る団体の役職員又はこれに準ずるものに就くこと。ただし、やむを得ない事情があると認められるときは、この限りでない。
(2) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるもの対し、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとして提供される場合を含む。)をすること。ただし、この法人又は役職員の負担の有無にかかわらず、 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるものに対し、物品若しくは不動産を購入若しくは貸与をさせた場合又は役務を提供した場合において、それらの対価が無償又は著しく低いときは、相当な対価の額の金銭の贈与をしたものとみなす。
(3) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるもの対し、金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けは、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を行うこと。
(4) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるもの対し、未公開株式を譲り渡すこと。
(5) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるもの対し、供応接待を行うこと。
(6) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるものと共に遊技又はゴルフをすること。
(7) 資金分配団体又はその役職員又はこれに準ずるものと共に旅行(業務のための旅行を除く。)をすること。
(定期申告)
第9条 役職員は、毎年1月と6月に当該役員の兼職等の状況その他前条の規定に基づく申告事項の有無及び内容について、事務局長に書面で申告するものとする。
(申告後の対応)
第10条 前2条の規定に基づく申告を受けた事務局長は、事務局次長、主任と連携して申告内容の確認を徹底した上、申告を行った者が理事である場合には代表理事と、監事である場合には他の監事とそれぞれ協議の上、必要に応じ、速やかに当該申告を行った者に対して、この法人との利益相反状況の防止又は適正化のために必要な措置を求めるものとする。
第5章 コンプライアンスに関する規程
(コンプライアンスに関する役職員の責務と責任者)
第11条 役職員は、この法人におけるコンプライアンス(この法人又は役職員等がこの法人の業務遂行において法令(この法人の定款、規則・規程、運用基準等を含む。以下同じ。)を遵守することをいう。以下同じ。)の重要性を深く認識し、常に公平かつ公正な業務の遂行に努めなければならない。
2 代表理事を、コンプライアンスの推進について最終責任を負う者とする。
(不正発生時の原因究明、処分、再発防止策と公表)
第12条 コンプライアンス違反事件が発生した場合は、迅速に次の対応を行う。
(1) コンプライアンス違反事件について原因の究明に向けた分析・検討
(2) コンプライアンス違反関係者の厳格な処分の検討及び再発防止策の策定
(3) 原因究明に向けた分析及び検討結果並びに職員の処分及び再発防止策の公表
第6章 公益通報者保護に関する規程
(公益通報制度)
第13条 この法人は、不正行為による不祥事の防止及び早期発見、自浄作用の向上、風評リスクの管理及びこの法人に対する社会的信頼の確保のため、公益通報制度を設ける。
(相談窓口及び通報窓口)
第14条 この法人は、役職員が不正行為等の相談・通報するための窓口を設ける。
2 役職員は次の窓口に相談・通報することができる。
(1)事務局長
(2)監事
(3)JANPIA資金分配団体等役職員専用ヘルプライン
(不利益処分等の禁止)
第15条 この法人の役職員は、通報者等が通報等を行ったこと、通報者に協力したこと又は通報等に基づく調査に積極的に関与したことを理由として、通報者等に対する懲罰、差別的処遇等の報復行為、人事考課におけるマイナス評価等、通報者等に対して不利益な処分又は措置を行ってはならない。
第7章リスク管理に関する規程
(具体的リスク発生時の対応)
第16条 役職員は、具体的リスクの発生を認知した場合には、これに伴い生じるこの法人の物理的、経済的又は信用上の損失又は不利益を最小化するため、必要と認められる範囲内で、十分な注意をもって初期対応を行う。この場合において役職員は、当該具体的リスクに起因する別の具体的リスクの有無も検討した上、必要に応じ、その回避等措置も併せて講ずる。
2 職員は、具体的リスクの発生を認知した後、速やかに適切な上位者に必要な報告をするとともに、その後の処理については関係部署と協議を行い、上位者の指示に従う。
3 役員は、具体的リスクの発生を認知した後、速やかに関係部署に必要な連絡及び指示をするとともに、その後の処理について関係部署と協議を行い、適切にこれを処理する。
4 前各項の規定にかかわらず、役職員は、具体的リスクの認識の端緒がヘルプラインである場合には、当該具体的リスクに対する対応については、内部通報(ヘルプライン)規程に基づく対応を優先する。
(緊急事態への対応)
第17条 この法人は、次条の規定に定める緊急事態が発生した場合、代表理事をリスク管理統括責任者として、緊急事態に対応する体制をとるものとする。
(緊急事態の範囲)
第18条 この規程において緊急事態とは、次の各号に掲げる事象によって、この法人、この法人の事業所、又は役職員に急迫の事態が生じ、又は生じるおそれがあり、この法人を挙げた対応が必要である場合をいう。
(1) 自然災害
(2) 事故
(3) インフルエンザ等の感染症
(4) 犯罪
(5) 機密情報の漏えいや情報システムへの不正なアクセス
(6) その他上記に準ずる法人運営上の緊急事態
(情報管理)
第19条 緊急事態通報を受けた事務局長は、情報管理上必要な措置等につき適切な指示を行う。
(緊急事態の発生時における対応の基本方針)
第20条 緊急事態の発生時においては、次の各号に掲げる基本方針に従い、対応するものとする。
(1) 地震、風水害等の自然災害
① 生命及び身体の安全を最優先とする。
② (必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
③ 災害対策の強化を図る。
(2) 事故
① 爆発、火災、建物倒壊等の重大な事故
・生命及び身体の安全を最優先とし、環境破壊の防止にも努める。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・事故の再発防止を図る。
② この法人の活動に起因する重大な事故
・生命及び身体の安全を最優先とする。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・事故の再発防止を図る。
③ 役職員に係る重大な人身事故
・生命及び身体の安全を最優先とする。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・事故の再発防止を図る。
(3) インフルエンザ等の感染症
・生命及び身体の安全を最優先とし、伝染防止にも努める。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・集団感染の予防を図る。
(4) 犯罪
① 建物の爆破、放火、誘拐、恐喝、脅迫その他の外部からの不法な攻撃
・生命及び身体の安全を最優先とする。
・不当な要求に安易に屈せず、警察と協力して対処する。
・再発防止を図る。
② この法人の法令違反等の摘発等を目的とした官公庁による立入調査
・この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
③ 内部者による背任、横領等の犯罪及び不祥事
・この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・再発防止を図る。
(5) 機密情報の漏えいや情報システムへの不正なアクセス
・被害状況(機密情報漏えいの有無、この法人外への被害拡大や影響の有無)の把握
・被害の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
・(必要に応じ)所管官公庁へ連絡する。
・再発防止を図る。
(6) その他経営上の事象
この法人の損失の最小化を図る観点から適切な対応を検討する。
第8章 雑則
(改廃)
第21条 この規程を改廃するときは、理事会の議決を経なければならない。
(附則)
この規程は、2020年3月21日から施行する。(2020年3月21日理事会議決)
以上