キーワードで知る認知症のこと

みなさんは、これらの言葉を見聞きしたことがありますか?
認知症の人や介護者かいごしゃのことを
くわしく知るためのキーワードです。
解説かいせつを読んだり、リンク先でさらに調べてみましょう。

認知症の種類

1 認知症の種類

認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型れびーしょうたいがた認知症、前頭側頭型ぜんとうそくとうがた認知症、血管性けっかんせい認知症などさまざまな種類があり、それぞれの認知症で症状しょうじょうはちがいます。主な症状は次のとおりです。

  • アルツハイマー型認知症:認知症の中で最も多く、ものわすれなど記憶力きおくりょくの低下が多くみられます。
  • レビー小体型認知症:他の人には見えないものが見える(幻視げんし)などの症状があります。
  • 前頭側頭型認知症:同じ行動をくり返したり、人が変わったような症状がみられます。
  • 血管性認知症:のうのどの部分に障害しょうがいが起きたかによって症状が変わります。ものわすれの他に手足のしびれなどの症状が起こることがあります。
若年性認知症じゃくねんせいにんちしょう

2 若年性認知症じゃくねんせいにんちしょう

認知症は高齢者こうれいしゃに多い病気ですが、65さい未満で発症はっしょうすることもあり、「若年性認知症」といいます。特に働いている方が発症すると、仕事ができなくなった場合の経済的けいざいてきな問題をはじめ、将来しょうらいへの不安が本人や家族に大きく影響えいきょうします。高齢の親が若年性認知症の子どもを介護するという場合もあり、高齢で発症した認知症の人とはちがう問題が多くあります。

老老介護ろうろうかいご

3 老老介護ろうろうかいご

高齢者こうれいしゃ(老人)の介護を高齢者(老人)が行うことです。主に65さい以上の高齢の夫婦ふうふや親子、きょうだいなどのどちらかが介護者、もう一人が介護される側となるケースをいいます。介護者が高齢であることは、体力的にも精神的せいしんてきにも負担ふたんが大きく、共だおれになることが考えられます。また、外出の機会がるなど社会とのつながりが少なくなると、ストレスをかかえ、認知症になるリスクも高まります。

なお、65歳以上の人で身体的・精神的な障害があり、介護が必要な人は介護保険制度かいごほけんせいどが利用できます。

認知症基本法にんちしょうきほんほう

4 認知症基本法にんちしょうきほんほう

2023年6月に、認知症の人とその家族のための法律ほうりつが成立しました。「共生社会の実現じつげん推進すいしんするための認知症基本法」(りゃくして、認知症基本法)といいます。
認知症を発症はっしょうする人は、これからもっとふえるといわれています。国・自治体や団体だんたい企業きぎょうなどが協力して、認知症の人や障害しょうがいのある人が安心してくらせる社会を進めていくために大切な法律ほうりつです。

認知症サポーター

5 認知症サポーター

自治体や団体だんたい企業きぎょうなどが開催する、認知症サポーター養成講座こうざ受講じゅこうした人が認知症サポーターとなります。認知症サポーターは街中で認知症の人が困っている時に手助けするなど、認知症の人を支援しえんすることに積極的に関わることが期待されます。2024年3月、15,348,496人の認知症サポーターがいます。

ヤングケアラー

6 ヤングケアラー

18さい未満の子どもが親や祖父母などの介護かいごをすることをいいます。また、親が介護をしている場合に、親に代わって家事をしたり、きょうだいの世話をすることもいいます。介護や世話のために勉強や友だちとの付き合いができないことも多く、社会的な課題となっています。

認知症バリアフリー

7 認知症バリアフリー

認知症は記憶きおく判断はんだんする力が低下し、生活に問題が出てくる状態じょうたいをいいます。認知症の人や介護かいごする家族は不安や困難こんなんをかかえています。家族だけで介護することはむずかしく、周りの人たちの手助けがあれば安心してくらしていけます。そのために、生活の中で障壁しょうへき(バリア)を、物理的にも、こころの面でもなくしていく「認知症バリアフリー」の取り組みを、国や企業きぎょうがいっしょになって進めています。

意思いし決定けってい支援しえん

8意思いし決定けってい支援しえん

認知症の人は症状しょうじょうが進行すると、自分の意思(こうしようと思っていること、考え)を伝えることがむずかしくなります。意思決定支援は、その人の意思が反映はんえいされた生活を送ることができるように支援することやその仕組みをいいます。

認知症の人の思い

9 認知症の人の思い

以前は、認知症の人は何もできなくなるという誤解ごかい偏見へんけんがありました。
認知症になってからもだれもがらしやすくなるようにと願って、日々ひび工夫しながら自分らしく暮らしている様子を語る認知症の人がえてきています。