アチキ
ランチを食べておなかいっぱい。お天気がよく、とても気分のよいアチキ。
散歩をしていると、コチキが「トイレに行きたい」と言います。
コチキに何度も「すぐに出てくるから、トイレの前で待ってて」と念をおされ、なんで何度も「待ってて」と言うんだろうと、ちょっとあきれながら「はい、はい」と返事をするアチキ。
けれど、アチキはコチキを待っているうちに、自分がどうしてトイレの前に立っているのかがわからなくなります。
気がつけば、いっしょにいるはずのコチキがいません。あせるアチキ。アチキはコチキが先に行ってしまったのだと思いこみ、コチキをさがしに行かなくちゃとトイレの前から去ってしまいます。コチキが見つからず、不安なアチキ。さらに道がわからなくなり、ますます不安になって歩きまわります。
とうとうアチキは歩きつかれてしまい、丸太にすわりこんでしまいました。
そこへコチキの声が! アチキはホッとする間もなく、コチキに「どうしていなくなったの!」「待っててって約束したのに!」「何かあったらどうするの?!」とどなられ、どうしたらよいかわかりません。
コチキとの「ここで待ってて」の約束は覚えていませんし、アチキにすれば、一生懸命いなくなったコチキをさがしていただけなのです。
コチキのいかりはおさまりません。アチキは何をおこられているのかわからず、ますますつかれはてるばかりです。
コチキ
なじみのお店で気分を変えることはできなかったけれど、散歩に出かけて、アチキは気分よくしているようで、コチキもホッとしています。
コチキはトイレに行きたくなりました。トイレに行っている間、アチキを見ててくれるようにお願いしようとだれかいないかさがしましたが見つからず、心配でしたがアチキに「ここで待ってて、約束ね」と何度も言ってトイレへ。
イヤな予感があたり、トイレから出てくるとアチキがいません。
ものわすれの森では道にまよう住人が毎年増え、家族などとはぐれることが多くなっています。事故にあうこともあると問題になっています。
トラブルにまきこまれていないかと、コチキは、アチキを必死でさがします。
丸太にすわりこむアチキを見つけ、ホッとしながらも、いかりが先にたって、どなってしまいます。
アチキがつかれはてていることは見てわかっていても、「はぁ」と返事をされて、ますますいかりがわいてしまいます。
無事に会えてホッとしたことと。仕方ないとは言え、アチキを一人にしてしまった自分に、いかりをおさえられません。